
肌を外の刺激から守るバリア機能。その大切さが注目される中、近年「顔の常在菌」の存在が見直されています。
なかでもS.ホミニスという皮膚に棲みつく善玉菌が、肌の健やかさを支える重要な役割を果たしていることがわかってきました。
S.ホミニスは、もともと私たちの皮膚に存在する細菌のひとつですが、肌トラブルとの関係を示す研究も進んでおり、美容の世界でも関心が高まりつつあります。
普段は意識されにくいこの小さな存在が、実は肌のうるおいバランスやバリア機能に深く関与しているのです。
今回は、S.ホミニスの働きを軸に、肌のバリアを守るための視点を掘り下げていきます。肌のうるおいが気になる時期にこそ、見直しておきたいポイントが詰まっています。
顔の常在菌と肌バリアの関係
私たちの皮膚には、数百種類以上の常在菌が存在し、それぞれが独自の役割を担っています。S.ホミニスはそのなかでも、皮膚の表面に近い層に多く見られ、肌にとって有益な働きをする菌です。
S.ホミニスは、皮膚のpHバランスを安定させたり、有害な菌の増殖を抑制する働きがあることがわかってきました。これにより、肌荒れや赤み、かゆみなどのトラブルが起きにくくなることが期待されています。
さらに、肌のバリア機能が整うことで、うるおいが逃げにくい状態を保ちやすくなります。
一方で、ストレスや気候の変化、スキンケアの刺激などが重なると、善玉菌のバランスが崩れ、肌トラブルの引き金になることもあります。
こうした視点からも、顔の常在菌を「育てる」スキンケアは、年齢による変化を感じやすい肌にとって重要な考え方です。
S.ホミニスが減るとどうなる?
肌にとって味方であるS.ホミニスの存在が弱まると、バリア機能が低下し、外部刺激に対して敏感な状態に傾きます。結果として、肌が乾きやすくなったり、赤みやヒリつきが出やすくなるケースもあります。
とくに、洗浄力の強いクレンジングや洗顔料の使用、過剰なピーリングなどは、肌に必要な菌まで落としてしまう原因になります。S.ホミニスは非常に繊細で、環境の変化やpHの乱れに弱いため、日々のケアによってその存在環境が大きく左右されてしまいます。
この菌のバランスが崩れたままだと、肌の防御力は下がり続け、うるおい不足のループに陥ってしまう可能性もあります。
普段は見えない存在だからこそ、意識的に守るケアが求められます。
バランスを整えるスキンケア発想

肌の常在菌を守るうえで欠かせないのが、「落としすぎない」ケアです。
クレンジングや洗顔は必要なプロセスですが、皮脂や菌をすべて除去してしまうような強い洗浄は避けるべきです。
また、肌のpHを整える弱酸性のアイテムや、皮膚のうるおい成分を補う保湿アイテムを選ぶことも、善玉菌の活動をサポートするうえで効果的です。とくにバリア機能の要となるセラミドやアミノ酸系成分が含まれた保湿ケアは、常在菌の働きを守る手助けになります。
最近では、S.ホミニスなどの皮膚常在菌の環境に着目したケアアイテムも増えています。肌との相性を試しながら、自分の肌環境にフィットするものを選ぶ意識が大切です。
肌との関係を見直すきっかけに
年齢を重ねるにつれて感じやすくなる肌の不安定さ。その背景には、角層のうるおい保持力だけでなく、常在菌の変化も関わっているかもしれません。
たとえば、急に肌がつっぱるようになったり、今まで使っていたアイテムが合わなくなってきたと感じたとき、単に年齢のせいと考えるのではなく、肌環境の変化に注目することが重要です。
肌の土台を育てるケアには、目に見えない存在を意識する姿勢が求められます。S.ホミニスのような菌が健やかに過ごせる環境づくりは、肌本来の美しさを引き出す第一歩となるはずです。
まずは肌との関係を、菌の視点からも見つめ直してみることで、ケアへの向き合い方が変わるかもしれません。
肌にふれるたび気になる小さなざらつきや赤み。
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透明感を引き出すための最初の一歩
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