
梅雨の時期になると、肌のコンディションが不安定になりがちです。なんとなくかゆみが出る、赤みが長引く、ニキビのようなぶつぶつが治らない……。こうした症状は一見、湿度や皮脂の影響による「いつもの肌荒れ」に思えますが、実は皮膚に存在する“カビ”の一種、マラセチア菌が関わっている可能性があります。
マラセチア菌は皮膚常在菌のひとつで、誰の肌にも存在する微生物です。普段は悪さをしませんが、湿度と温度が高まる環境では過剰に増殖し、毛穴や皮脂腺に炎症を起こすことがあります。炎症の原因がこの菌である場合、通常のニキビケアや保湿だけではなかなか改善されないのが特徴です。
梅雨時期に肌トラブルが長引くようなら、ケアの見直しが必要です。自分の肌で何が起きているかを見極め、適切な対策をとることが大切です。
湿気が招くマラセチア菌の繁殖
マラセチア菌は、脂質を好む性質を持っています。特に皮脂の分泌が活発なTゾーンや背中、デコルテなどに多く存在し、湿気によって皮膚のバリア機能が低下すると、より活発に増殖します。汗をかいたまま放置する、洗顔後のタオルが不衛生など、ささいな習慣が肌の菌バランスを崩す要因になります。
また、気温が高くなると汗や皮脂の分泌も増え、肌表面が常に湿った状態となります。これがマラセチア菌にとって格好の環境となり、赤みやかゆみ、ぶつぶつとした吹き出物の原因となることがあります。
これまでのスキンケアではカバーしきれない不調が続くときは、肌に住む菌の状態にも目を向けてみることが重要です。マラセチア菌は洗いすぎでも繁殖しやすくなるため、やさしい洗浄と清潔な環境づくりのバランスが求められます。
間違いやすいニキビとの違い
マラセチア菌による肌荒れは、ニキビと非常によく似た見た目をしています。赤くぷつぷつとした吹き出物や皮膚のかゆみを伴うことがあり、皮脂が原因と思い込んでケアを続けてしまうケースも少なくありません。
しかし、マラセチア菌による炎症は、一般的なニキビとは違い、毛穴詰まりではなく菌の異常繁殖が原因です。そのため、過剰な洗浄や油分の排除では根本的な解決にはなりません。
むしろ、皮脂を取りすぎることで肌のバリア機能が損なわれ、菌の活動がさらに活発になる可能性もあります。繰り返す吹き出物が皮脂対策をしても改善されないときは、マラセチア菌の関与を考慮したケアへの切り替えが効果的です。
ケアの基本は“整える”こと
マラセチア菌と上手に付き合うためには、肌環境を“整える”ことが何よりも大切です。強い殺菌成分に頼るのではなく、まずは洗顔やクレンジングを見直し、肌への刺激を最小限に抑えることが必要です。
また、保湿も軽視できません。肌がうるおいを保てていれば、バリア機能が高まり、菌が異常に繁殖するのを防げます。皮脂が多いからといって保湿を避けるのではなく、水分と油分のバランスを意識したアイテム選びが重要です。
加えて、洗顔後のタオルは毎回新しいものを使い、枕カバーやシーツもこまめに洗うなど、肌に触れるものの衛生管理にも気を配りましょう。こうした日々の積み重ねが、マラセチア菌とのバランスを整える第一歩になります。

肌で感じる“相性”を大切に
マラセチア菌が肌荒れの原因となっているかどうかは、見た目だけで判断するのが難しいこともあります。だからこそ、自分の肌の反応を丁寧に観察し、違和感があれば思い切ってケア方法を変えてみる柔軟さが必要です。
近年では、肌の菌バランスに着目したスキンケアアイテムも登場しており、相性のよいものを選ぶことで、肌の安定感が高まることもあります。
自分の肌に合う解決法を確かめられる機会があることは、安心感にもつながります。肌との対話を大切にしながら、梅雨の時期も揺らぎにくい肌を目指していきましょう。
肌にふれるたび気になる小さなざらつきや赤み。
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