フェイスラインを崩す原因「落ちベロ」とは？舌の位置が顔に与える影響

「落ちベロ」とは何か：見落としがちな口内の癖

顔の印象に大きく関わるフェイスライン。加齢や体重の増加が原因と思われがちな二重顎ですが、実は口の中の“舌の位置”が深く関係しています。
本来、舌は上あごに軽く接しているのが自然な状態ですが、日常的に舌が下に落ちてしまっている状態を「落ちベロ（舌低位）」と呼びます。
この舌の位置の乱れが、知らないうちに顔全体の筋肉バランスを崩し、顎周りのたるみへとつながっていきます。

落ちベロの状態では、口周りの筋肉を使わなくなり、フェイスラインの支えが弱まります。
また、口呼吸や無意識の食いしばりが習慣化している場合も舌のポジションが下がりやすく、それが長年にわたって続くことで、二重顎が目立ってしまうことも少なくありません。

なぜ落ちベロが起こるのか：習慣が作る舌の位置異常

舌の位置が正しく保てなくなる原因には、いくつかの要因が重なっています。

現代人に多く見られる口呼吸の習慣は、落ちベロの大きな要因のひとつです。
慢性的な鼻詰まりやアレルギーによって口が常に開いている状態が続くと、舌は自然と下あごに落ちたまま固定されやすくなります。
この状態が続くと、舌本来の位置である上あごに接する時間が極端に減り、正しい舌筋の使い方が失われていきます。

加えて、柔らかい食べ物ばかりを好む食生活や、咀嚼回数が少ない習慣も舌筋や口輪筋の発達を妨げ、筋力が弱くなることでさらに舌が下がりやすくなります。

姿勢の悪さも、落ちベロの原因として見過ごせません。とくに現代人に多く見られる猫背の姿勢は、首が前に出る「ストレートネック」の状態を招きやすく、重心が前方へ移動します。
このような体勢では、自然と口が半開きになりやすく、舌が上あごから離れて下に落ち込む状態が常態化します。
結果的に、口呼吸が習慣化し、舌筋や咀嚼筋の活動量が減少していくことで、顎下や首に余分な脂肪やたるみが蓄積されやすくなるのです。

こうした生活習慣の積み重ねからくる舌位置の乱れは、日々の積み重ねによって徐々に顔まわりの輪郭に影響を与えていきます。
見た目年齢を左右する要素にもなるため、日常の姿勢を正すことが、舌やフェイスラインの健康を保つうえで非常に大切です。

舌のポジションを整えるとフェイスラインも変わる

舌の正しい位置は、上あごの前歯の裏に軽く触れ、舌全体が口蓋に吸いつくような状態です。
このポジションを保つことにより、自然と口周りの筋肉が鍛えられ、顎から首にかけてのラインが引き締まりやすくなります。

日常の中でも、意識的に舌の位置をチェックするだけでも変化が期待できます。
とくに、リラックスしているときやスマートフォンを見ているときなどに舌が下がりやすいため、ふとした瞬間に「舌は上にあるか」を確認するだけでも筋肉の使い方が変わってきます。

専用の舌トレーニングや、舌圧を鍛えるガムトレーニングなどを取り入れるのも有効です。
舌の位置を正しく保つための基本的なトレーニングとして「ポスチャートレーニング」があります。

舌全体を上あごにしっかりと押し付けた状態で数十秒キープすることで、舌筋や口周りの筋肉が鍛えられます。
また、専用の硬めのガムを左右均等に噛む「ガムトレ」も、舌圧や咀嚼筋を刺激し、フェイスラインの引き締めに役立ちます。

こうしたケアは、肌のハリを保つための基盤を整える意味でも、ホームケアにさりげなく取り入れておきたい習慣です。

二重顎を防ぐために今日からできるケア

二重顎の予防には、舌のトレーニングに加えて、フェイスライン全体の筋肉を活性化させる意識も必要です。
洗顔やスキンケアの時間を利用して、下あごから耳にかけてのラインを優しく引き上げるマッサージを行うと、リンパの流れが促進され、むくみの軽減にもつながります。

また、スキンケアアイテムのなじませ方ひとつでも、表情筋の動かし方は変わってきます。
保湿クリームや美容液を塗る際は、下から上へ、内側から外側へと筋肉の流れを意識して動かすことが、リフトアップのサポートになります。

舌や口周りの筋肉と、フェイスラインの印象は密接につながっています。
見落としがちな「落ちベロ」を見直すことは、根本的なケアのひとつとして、これからのエイジングケアの鍵になるかもしれません。
自分に合ったトレーニングやケアを、生活に自然と組み込んでいくことが、無理なく続く美しさへとつながっていきます。

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