ドラッグデリバリーシステム（Drug Delivery System：DDS）とは、薬物の副作用を抑えるための技術で、薬の効果を最大限に引き出すために、体内での薬の分布を調整する方法です。
化粧品の分野では、肌に有効成分を浸透させるために、この技術が使われています。
たとえば、QuSome®やリポソームと呼ばれるナノカプセルの化粧品があります。
ドラッグデリバリーシステムのメリット
薬剤は目的の場所に効率良く届くことで、的確な効果を得ることができます。
さらに必要な場所にのみ薬剤の成分が働きかけることで、副作用を抑えることが期待できます。
ドラッグデリバリーシステムはこの両方のメリットを満たすための技術です。
ドラッグデリバリーシステムの3つの特徴
- 標的化
薬剤を特定の部位に集中的に届ける技術であり、患部にのみ作用する薬剤を開発するために重要な技術です。 - 放出制御
薬剤を時間的にコントロールする技術であり、徐々に薬剤を放出させることで、持続的な効果を発揮したり、薬剤の溶け出しを遅らせたりすることができます。 - 吸収促進
薬剤を体内で吸収しやすくする技術であり、バリア機能を突破することで薬剤の吸収を促進させます。化粧品分野では、皮膚への浸透性を高めるために、この技術が主に活用されています。（「浸透テクノロジー(QuSome®)」は、吸収促進技術に該当します）
浸透テクノロジーとは
浸透テクノロジーは、皮膚中に有効成分を届ける技術で、皮膚のバリア機能を突破して薬剤を浸透させることができます。
皮膚は外部からアレルゲンや細菌などの異物の侵入を防ぎ、皮膚中の水分を外へ逃さない機能がありますが、QuSome®技術を使うことで、このバリアを克服することができました。
QuSome®とは
QuSome®は、b.glenが開発した独自の脂質ナノカプセルで、皮脂と馴染む構造と、水と馴染む構造から成り、皮膚のバリア機能を通過して有効成分を届けることができるのです。
その特性を活かして現在も改良が進められており、様々な実験が行われています。
これは、薬剤を皮膚へ徐々に放出させたり、留めて貯めさせる、あるいは浸透させる深さを制御するなど、さらなる技術の発展が期待できるためです。
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